「ボーイフレンド」という言葉の社会的受容において、極めて大きな転換点となったのが、Netflixで配信され社会現象を巻き起こした日本発の男性同性愛リアリティショー『The Boyfriend(ボーイフレンド)』の存在です。
従来のメディアが描いてきた「ボーイフレンド=異性愛における曖昧な男友達」という枠組みを軽やかに超え、友情・恋愛・連帯感がシームレスに交錯する人間関係の美しさを提示しました。コーヒートラックを運営しながら共同生活を送ったメンバーたち――互いの葛藤を受け止め合いながら絆を深めたDai(ダイ)やShun(シュン)、人望厚くハウスを支えたKazuto(カズト)、情熱的に思いをぶつけたAlan(アラン)らの物語は、視聴者に「人を愛することの本質」を問いかけました。
2026年現在の出演者たちの動向を見ても、その影響力は衰えていません。番組終了後、彼らはモデルやクリエイター、インフルエンサーとしてそれぞれの道を歩みつつ、SNSを通じて互いの展覧会やイベントに駆けつけるなど、友情とも恋愛とも括りきれない「魂の結びつき」としてのボーイフレンド関係を継続させています。公のインタビューや手記で語られた「名前のつかない関係性こそが、かけがえのない人生の財産になった」という証言は、関係性に白黒をつけたがる世間の価値観に一石を投じました。
この番組のヒットを経て、「ボーイフレンド」という言葉は、従来の「交際未満の濁し言葉」という一面だけでなく、「ジェンダーや既存の枠にとらわれず、敬意を持って人生の時間を共有するパートナーシップ」という前向きな再定義を獲得するに至っています。