東海道線を走る列車は、単に東京〜熱海間を往復するだけではありません。「上野東京ライン」として宇都宮線・高崎線へ直通する列車、そして「湘南新宿ライン」として新宿・池袋を経由し高崎方面へと抜ける列車が網の目のように走っています。運行系統ごとの違いにも留意が必要です。
まず、上野東京ライン10両トイレ事情において警戒すべきは、東京駅や上野駅を跨ぐ際の所要時間です。品川〜東京〜上野間は駅間距離こそ短いものの、混雑率が極めて高く、車内の移動がほぼ不可能な時間帯があります。特に品川〜新橋〜東京間などで急な体調異変に見舞われた場合、車内トイレへ向かうよりも、思い切って途中の主要駅で下車し、ホーム上や改札内の多機能トイレへ駆け込む方が圧倒的に早いケースが多々あります。
一方、湘南新宿ライン10両トイレの場合、さらに過酷な条件下に置かれます。湘南新宿ラインの東海道線直通列車(小田原〜新宿〜高崎方面)は、武蔵小杉〜西大井〜大崎間など、駅間が極めて長く、1区間の走行に6〜8分以上を要する区間が存在します。さらに横須賀線と同じ線路を走るため、前を走る列車が遅延すると「駅間停車」で完全に車内に閉じ込められるリスクが跳ね上がります。
東海道線15両トイレ位置違いを理解している人ほど、10両編成の運用に注意しなければなりません。15両編成であれば、上り方(東京・新宿寄り)の11号車に多目的トイレがあるため、9号車や10号車に乗っていても隣の号車へ移動するだけで用を足せます。しかし、10両編成ではその11号車自体が存在しません。「いつもの感覚」で前寄りの車両に乗車することが、取り返しのつかない事態を招く引き金となるのです。