2017年にリリースされた『たばこ』は、失恋した女性の孤独な部屋の空気感をリアルに切り取り、YouTubeのミュージックビデオ再生回数が6,000万回を突破するなど、コレサワの名を一躍全国区に押し上げた金字塔的ナンバーです。散らかった部屋、灰皿に残された吸い殻、戻らない恋人への後悔――女性の独白のみで構成されたその世界観は、多くのリスナーの涙を誘いました。
その物語に決定的な呼応を見せたのが、2019年に発表された『恋人失格』です。本作は当初、みやかわくんからの熱烈なオファーを受けてコレサワが書き下ろした初の本格的楽曲提供作品でした。みやかわくんによるシングルが同年4月にリリースされた直後、同年6月にはコレサワ自身のセルフカバー版が配信され、「ひとつの別れを両者の視点から完全に補完する」という異例の音楽体験を提示しました。
女性目線の『たばこ』で残された数々の謎――「なぜ彼は鍵を置いて出て行ったのか」「なぜ最後に冷たい態度をとったのか」に対する答えが、『恋人失格』の男性目線の歌詞によって残酷なまでに美しく紐解かれていきます。