日本列島(本土および南西諸島)において、体色に明瞭な緑色やオリーブグリーンを持つヘビは主に4つのグループに大別されます。「緑色=熱帯の猛毒蛇」という海外のイメージが先行しがちですが、国内種の大半は無毒あるいは温厚な性質です。ただし、決定的な例外が存在するため、まずは代表的な種類の生態と毒性の有無を正確に把握する必要があります。
本土の平地から山林、さらには都市部の住宅街まで広く適応しているのがアオダイショウです。成体になると暗緑色やオリーブグリーン、時には青みがかった美しい光沢を放ちます。毒は一切持たず、ネズミなどを捕食する益獣として古くから重宝されてきました。一方、南西諸島を中心に生息するリュウキュウアオヘビやサキシマアオヘビは、全身が極めて鮮やかなエメラルドグリーンに包まれており、主食はミミズという完全無毒のおとなしいヘビです。
注意しなければならないのが、全国の水辺や森林に広く分布するヤマカガシです。東日本では黒と赤のまだら模様が目立ちますが、西日本(特に近畿・中国地方)では鮮やかな暗緑色〜青緑色の地色を持つ個体群が多数を占めます。ヤマカガシは奥歯に強力な血液凝固阻止・出血毒(デュベルノイ腺毒)を持ち、さらに首の後ろから毒液を飛ばす頸腺毒も備えた特定危険生物レベルの有毒蛇です。「緑色だからアオダイショウだろう」と油断して素手で捕獲しようとすることは極めて危険な行為です。