2026年のパリ五輪終了後、女子日本代表の次期体制を巡る議論は水面下で激しさを極めていた。日本バレーボール協会が設置した監督候補者選考委員会では、国内Vリーグ(現・SVリーグ)で実績を残した日本人指導者や、元日本代表レジェンドなど複数の女子バレー新監督候補がリストアップされたと伝えられている。しかし、協会が最終的に下した決断は「史上初の外国人監督招聘」というドラスティックな舵切りであった。
日本バレーボール協会公式発表を経てチームの舵取りを託されたフェルハト・アクバシュ氏は、ルーマニア代表やポーランドの名門クラブ、そして世界屈指の強豪エジザージュバシュを率いた輝かしい実績を持つ。だが、彼が選ばれた決定打は単なるネームバリューではない。アクバシュ氏は2017年から2018年にかけて、中田久美体制下でコーチを務めた経験があり、日本のバレーボール文化、選手の気質、そして組織的な強みとフィジカルの限界値を肌感覚で理解している稀有な指揮官だった点にある。
女子バレー2026年最新動向を追うと、アクバシュ体制下の日本代表は「個の高さの克服」を脱し、「テンポの極大化とトランジションの質」に完全特化している。就任直後の2026年ネーションズリーグから見せたアグレッシブなバックアタックの多用と、ブロック&ディグの連動性は、欧州仕込みのデータ分析と日本特有のフロアディフェンスが見事に噛み合った成果と言える。就任当初に囁かれた「言葉の壁」や「文化摩擦」という懸念を、指揮官は持ち前の情熱的な対話力で見事に払拭しつつある。