ネット上の掲示板やSNSでは、「自分には大した機密などないから関係ない」「警戒していれば美人スパイになど騙されない」という言説が散見されますが、これらは実態を知らない危険な誤解です。
治安当局の分析によると、工作員が真っ先に狙うターゲットにされやすい人の特徴は、決して「女好き」な人物だけではありません。むしろ、以下のような心理的・環境的隙を抱えた人物が格好の標的となります。
- 強い孤独感と承認欲求:家庭環境が冷え切っている、職場で正当に評価されていないと感じている中間管理職。自分の能力や苦労を深く理解し、賞賛してくれる異性に対して一気に心理的境界線を失います。
- 過剰なエリート意識と自己過信:「自分ほど賢い人間が騙されるはずがない」という傲慢さを持つ人物。工作員の緻密な演出を自らの人間的魅力によるものと信じ込み、疑う能力が麻痺します。
- 権限はあるが責任感が希薄:社内ネットワークの管理者権限や機密ファイルの閲覧権限を持ちながら、セキュリティ規則を「面倒な形式」と軽視する傾向がある人物。
また、ネット上で信じられている「派手な外見の外国人が突然色仕掛けをしてくる」というイメージも完全な虚構です。プロの工作員は、周囲から一切怪しまれないよう、ターゲットの好みに合わせた極めて自然なペルソナ(人格設定)を数カ月かけて演じ切ります。「偶然の出会い」から「信頼できる友人関係」へ、そして「男女の親密な関係」へと、段階を踏んで心理的に包囲していくため、被害者本人は最後まで自分が謀略に巻き込まれていることに気づけません。