検察官の胸元に配される記章を正面から見つめると、中央に位置する深紅の日輪(太陽)と、それを取り囲むように配された白い菊花と霜の結晶が確認できます。この独特な意匠こそが、検察官バッジ由来の中核をなす秋霜烈日章の骨子です。
「秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)」とは、秋の冷厳な霜と夏の激しい日差しを意味する四字熟語です。法と秩序を守るための過酷なまでの厳格さ、すなわち「悪を絶対に逃さない峻厳な姿勢」を象徴しています。しかし、検察官バッジ意味の真髄は厳罰主義だけにとどまりません。
紅色の太陽は「万物を公平に照らす温かさ」、すなわち慈悲の心を表現しています。犯罪に対しては秋霜の厳しさで臨みつつも、被疑者の更生や被害者の心情に対しては烈日の温情を忘れてはならないという、検察権行使の重い自戒が込められているのです。現在のデザインは1950年(昭和25年)に正式制定され、戦後の新刑事訴訟法下において検察官の独立性と倫理観を示す不抜のシンボルとして継承されています。