2人の関係性が世間から最も注目され、同時に大きな誤解を生むことになったのが、2018年6月16日にナゴヤドームで開催された「第10回AKB48世界選抜総選挙」です。前年に3連覇を達成した指原莉乃が不出馬を表明し、「誰が新女王になるのか」に全世論が集中するなか、地元名古屋での開催という最大の追い風とプレッシャーを同時に背負ったのが松井珠理奈でした。
松井は開票前のライブ中から過呼吸に倒れるなど極限状態にありながら、自己最多となる194,453票を獲得して悲願の1位を獲得。しかし、開票後の囲み取材において、HKT48のエースであり指原の愛弟子でもあった宮脇咲良に対するパフォーマンス指導の発言がメディアで大きくクローズアップされ、インターネット上で激しいバッシングを巻き起こす事態となりました。
この騒動の直後、松井珠理奈は体調不良を理由に長期休養に入ります。その直接の理由は、ナゴヤドーム開催という地元での絶対的勝利を義務付けられたプレッシャー、10年間グループを牽引し続けた蓄積疲労、そしてバッシングによる深刻な精神的ダメージでした。決して独善的な勝利宣言ではなく、極度の責任感と過度の覚醒状態(アドレナリンの異常分泌)の果てに起きた心身のキャパシティオーバーだったことが、後の手記や関係者の回顧録でも明らかになっています。
指原莉乃が見せた「愛あるフォロー」と大人の対応
この前代未聞の事態に対し、指原莉乃が取った行動は極めて冷静かつ温かいものでした。当時レギュラー出演していたフジテレビ系『ワイドナショー』において、指原は以下のように語り、渦中にいた松井珠理奈を公の場で擁護しました。
「珠理奈は本当に真面目で、すべてを背負い込みすぎてしまった。ナゴヤドームでの1位という重圧は想像を絶するものだったはず。今はまず心と体を休めてほしい」
指原は、後輩である宮脇咲良の心情に寄り添いながらも、松井珠理奈を一方的な悪者に仕立て上げる風潮に毅然と釘を刺しました。自身の冠番組やSNSでも、松井を揶揄するような空気感には一切乗らず、終始「グループの仲間としてのリスペクト」を保ち続けたのです。この指原の対応こそが、2人の間に確執など存在せず、むしろ痛みを理解し合える特別な関係であることを証明していました。