伊藤沙莉の兄は、吉本興業所属の実力派漫才コンビ「オズワルド」の伊藤俊介です。『M-1グランプリ』では2019年から3年連続で決勝進出を果たし、2021年には準優勝を記録するなど、今や東京の若手・中堅漫才師を代表する存在として定着しています。
現在でこそバラエティ番組での共演やSNSでの気さくな掛け合いが定番となっていますが、ブレイク当初、俊介は自身が沙莉の兄であることを公表していませんでした。その背景には、若手芸人としての強いプライドと、子役時代から地道にキャリアを積み上げてきた妹への深い配慮がありました。
「妹の名前を使って売れたら、妹の泥を塗ることになる。絶対に自分の力だけで決勝へ行く」
俊介は過去のインタビューでこのように述懐しています。沙莉が9歳でドラマデビューを果たし、着実にバイプレーヤーとしての階段を駆け上がっていた頃、俊介は長きにわたる下積み生活を送っていました。妹のバーター(抱き合わせ出演)として扱われることを頑なに拒み続けた兄の矜持を、沙莉もまた静かに見守っていたのです。
転機となったのは、オズワルドが『M-1グランプリ2019』の決勝進出を決めたことでした。芸人として自立した結果を出したことで、俊介は公の場で兄妹であることを解禁。テレビ番組『激レアさんを連れてきた。』や『まつもtoなかい』などで初共演を果たすと、二人の軽妙かつ息の合ったやり取りは視聴者から絶大な支持を集めました。