今でこそ世界の頂点に君臨するりくりゅうですが、その道のりは決して平坦ではありませんでした。二人の出会いは、互いが前パートナーとのペア解消や引退の危機に直面していた2019年夏に遡ります。
当時、木原龍一は過去に2度のオリンピック出場を果たしていたものの、度重なる怪我とパートナーシップの解消により、現役引退を本気で考えていました。一方の三浦璃来もジュニア時代から卓越した才能を示しながらも新たなパートナーを探している状況でした。そんな二人がカナダで行った一度のトライアウト(試走)が、日本フィギュアスケートの歴史を塗り替えることになります。
初めて手を組んで滑った瞬間、木原選手は「滑り出した瞬間に、これまで感じたことのないスピード感と吸い付くような感覚があった」と後にテレビ特番の手記で述懐しています。三浦選手もまた、木原選手の力強く包み込むようなスケーティングに絶対的な安心感を覚えたといいます。指導者であるブルーノ・マルコット コーチも二人の類まれなる相性を即座に見抜き、2019年8月、正式に「りくりゅうペア」が誕生しました。
結成後の快進撃はまさに破竹の勢いでした。2022年の北京オリンピックでは団体戦で日本のメダル獲得に決定的な貢献を果たし、個人戦でも日本ペア史上最高位となる入賞を達成。さらに2022-2023シーズンには、グランプリファイナル、四大陸選手権、そして世界選手権をすべて制覇する「年間グランドスラム(年間主要国際大会全制覇)」という、日本フィギュア界前人未到の大偉業を成し遂げました。