「電子レンジにアルミホイルを入れてはいけない」という警告は広く知られていますが、その正確な物理現象と危険性を理解している人は多くありません。ネット上では「少しなら大丈夫」「端を丸めれば平気」といった誤った言説も散見されますが、これは重大な火災事故につながる危険な行為です。
電子レンジのマイクロ波は金属に当たると吸収されず、表面の自由電子を激しく揺さぶって強力な高周波電流(渦電流)を発生させます。アルミホイルのシワや尖った角部分に電荷が集中すると、空気中の絶縁破壊が起きて激しい「スパーク(火花放電)」が発生します。これが庫内の油汚れや包材に引火して発煙・火災を引き起こすだけでなく、反射した電磁波がマグネトロン本体に逆流して機器を完全に破壊する原因になります。
対照的に、オーブンやオーブントースターでは熱源がヒーターからの熱放射であるため、高い耐熱性を持つアルミホイルは全く問題なく使用できます。むしろ、肉汁の受け皿や焦げ付き防止として推奨される資材です。「レンジ機能では絶対NG、オーブン機能ならOK」という境界線は、同一の複合機(オーブンレンジ)を使う際にも絶対に間違えてはならない鉄則です。