日本の気象観測史上において、頂点に君臨する数字が41.1度です。気象庁過去気象データを精査すると、この大台に到達した地点は全国で2か所のみ存在します。それが2018年7月23日に観測された埼玉県熊谷市、そして2020年8月17日に観測された静岡県浜松市です。
この2地点に共通しているのは、単に「日差しが強かった」というレベルではなく、複数の気象条件が完璧に噛み合ってしまった点にあります。熊谷最高気温記録が生まれた2018年は、上空に太平洋高気圧とチベット高気圧が二重に重なる「ダブル高気圧」が列島を覆い尽くし、内陸特有の昇温に強い下降気流が加わりました。一方、浜松市観測データが示した2020年の記録は、西日本から東日本を覆う強固な高気圧に加え、西風が山越えとなって吹き降ろす強烈な熱風が直撃した結果でした。
歴代最高気温ランキングの上位を概観すると、日本の高温スポットには明確な傾向が見て取れます。
アメダス観測地点一覧を俯瞰すると、ランキング上位は関東内陸、濃尾平野、盆地地形のいずれかに集中しています。これは、日本における極端な最高気温が偶然の産物ではなく、地形と気流の物理的メカニズムによって必然的に生み出されている証拠です。