1982年は、中森明菜、松本伊代、早見優、堀ちえみ、石川秀美、シブがき隊らが一斉にデビューした、日本歌謡史に残る「花の82年組」の年です。錚々たるライバルがひしめく中で、小泉今日子のアイドル時代は異彩を放っていました。
『まっ赤な女の子』『渚のはいから人魚』『ヤマトナデシコ七変化』とヒットを連発し、1985年には秋元康作詞の『なんてったってアイドル』をリリースします。アイドル自らが「アイドルであることを客観的に歌う」という前代未聞の自己言及ソングは、彼女のメタ視点と軽やかなスター性があってこそ成立した金字塔でした。
現場への移動に私服のモードファッションで現れ、歌番組のセットや衣装のアイデアを自ら提案するなど、現場スタッフを驚かせた逸話には事欠きません。自己プロデュースという概念が希薄だった時代に、自分の魅力を客観視して表現するセンスこそが、彼女をトップランナーたらしめた最大の理由です。