ヒットの裏には、狂気じみた技術的ディテールがある。どれほど楽でも、衿のラインが崩れてしまえば和装としての矜持は保てない。開発陣が最も時間を費やしたのは、洗濯機で丸洗いしても折れず、首筋の曲線に吸い付く「3ミリの極薄バイオ衿芯」の開発だった。
皮膚呼吸を妨げない通気性。夏場の猛暑でも汗ジミを作らない接触冷感糸の編み込み。さらに、バストを無理に潰さず、それでいて帯の上に胸が乗らないよう分散させる立体成形。着用テストは延べ500人以上に及び、微小なミリ単位の修正が何十回と繰り返された。「楽だから着るのではない。着た姿が誰よりも美しいから着るのだ」。プロダクトマネージャーのその言葉通り、妥協なき機能美が熱狂を支えている。