今回の特別公演で圧巻なのは、ジャンルの壁を鮮やかに打ち破る圧倒的な選曲センスだ。スクリーンを超えて世界中の人々を魅了し続ける『スター・ウォーズ』の壮大なメインテーマやドラマチックなテーマ曲が、フルオーケストラの生演奏で響き渡る。映画音楽が持つダイナミックなストーリーテリングと、金管楽器の咆哮、弦楽器の繊細なうねりが重なり合い、空間全体を映画のワンシーンへと塗り替えていく。
それと対比を成すように配置されるのが、伝統的な交響曲の金字塔だ。映画音楽のポピュラリティで会場の熱量を最高潮へと引き上げた直後、深く重厚な交響曲の世界へと観客を引きずり込む。時代も背景も異なる二つの音楽形式が、一本の太い糸で手繰り寄せられるような構成は、音楽ファンにとって至高の体験となるに違いない。クラシック音楽の伝統を守りつつも、現代の聴衆が求めるカタルシスを的確に捉えた構成力には脱帽するほかない。