国の経済産業大臣指定 伝統的工芸品として認定されている福島県の4品目は、いずれも数百年の歴史と高度な専門技術を誇ります。
第一に挙げられるのが会津塗です。天正年間に蒲生氏郷が近江から木地師や塗師を招いたことに端を発し、会津塗の歴史と特徴を語る上で欠かせないのが「消粉(けしふん)蒔絵」や「沈金」といった繊細優美な加飾技法です。塗膜が厚く非常に堅牢でありながら、日常の汁椀から美術工芸品まで幅広い顔を持っています。
続いて、独特の貫入(ひび割れ)と疾走する馬の絵柄で知られる大堀相馬焼です。江戸時代元禄期からの歴史を持ち、最大の特徴は器を二重構造にして熱い湯を入れても手で持て、中の湯が冷めにくい「二重焼」の技法にあります。浪江町の大堀地区が発祥であり、東日本大震災後は県内各地に工房を移転・再興させながら、伝統のひび焼きと現代的な釉薬を融合させた新境地を拓いています。
そして、東北最古の窯場として400年以上の歴史を刻む会津本郷焼は、同じ産地内で陶器と磁器の双方が作られる極めて珍しい産地です。素朴で温かみのある陶器と、白く透き通るような磁器の双方が日常の器として愛され続けています。
4つ目は、奥会津の豪雪地帯に自生する山葡萄(ヤマブドウ)やヒロロ、マタタビの蔓を手作業で編み上げる奥会津編み組細工です。特に山葡萄の手提げ籠は、採取時期が限られる希少な樹皮を丁寧に編み込んだ逸品で、使い込むほどに手の脂で黒く艶やかな飴色へと変化し、「100年使える一生モノの籠バッグ」として一生の相棒に選ばれています。