大阪府富田林市を訪れると、遠方からでも圧倒的な威容を放つ白亜の巨塔が視界に飛び込んできます。高さ180メートルを誇る大平和祈念塔(PLの塔)です。かつてこの塔の周辺には、全国から集まる熱心な信者の姿が絶えず、幼稚園から小・中・高・短大・専門学校、さらには総合病院(PL病院)やゴルフ場までを包括する一大宗教都市が形成されていました。
パーフェクトリバティー教団は、1916年に立教された徳光教の流れを汲み、戦後の1946年に二代教祖・御木徳近(みき とくちか)氏によって再興された新宗教です。「人生は芸術である」という極めてユニークな基本理念を掲げ、自己表現やスポーツ、芸術活動を通じた信仰実践を提唱。これが高度経済成長期の自由を求める大衆心理と見事に合致し、信者数を爆発的に拡大させました。
しかし、PL教団の教えと実態は時代とともに乖離していきます。個性を伸ばす自由な教えを謳いながらも、教団上層部による専制的な中央集権体制と、巨額の献金(みつぎもの)や労働奉仕(ひのきしん)に依存する旧態依然とした収益構造は変わりませんでした。2026年の現在、広大だった教団有休地の一部は民間企業への売却やメガソーラー用地への転用が進み、街全体の活気は往時と比べるべくもない静けさに包まれています。