もし発熱によって体温が上がりすぎ、体力を激しく消耗している場合は、皮膚表面ではなく「全身を巡る血液」を直接冷やす必要があります。体内を循環する大量の血液を効率よく冷やすためには、太い動脈が皮膚の浅い位置を通っている部位を冷やすのが鉄則です。
- 両脇の下(腋窩動脈):体温計を挟む窪みの奥にある太い動脈。高熱時に最も優先して冷やしたい代表的な部位です。
- 首の両脇(頸動脈):のどぼとけの左右両側にある動脈。脳へ向かう血流を素早く冷やし、熱による頭のぼんやり感を軽減します。
- 足の付け根の前側(鼠径動脈):太ももの付け根のくびれたライン。下半身を巡る太い血管が通っており、効率的な熱放散が期待できます。
これらの部位を冷却する際は、ジェルの気化熱に頼るシートよりも、タオルを巻いた保冷剤や氷嚢(ひょうのう)を当てる方法が圧倒的に高い冷却効率を発揮します。冷却シートを脇の下や鼠径部に貼ることも一定の清涼感にはつながりますが、寝返りや汗ですぐに剥がれやすいため、しっかり熱を逃がしたい場面では保冷パックをタオルで固定する工夫が適しています。