愛着の歪みが最も生々しく噴出するのが、親密さを避けて通れないパートナーシップです。愛着障害の恋愛傾向において特筆すべきは、不安型と回避型が強烈に惹かれ合い、悲劇的な破滅ループに陥りやすいという皮肉な現実です。
不安型は関係性を強固に結びつけようと必死に距離を詰め、頻繁な連絡や愛情の証明を要求します。しかし、親密になるほど自由を奪われる恐怖を感じる回避型は、その重圧に耐えかねて急に既読スルーを決め込んだり、理由もなく音信不通(ゴースティング)になったりして物理的・心理的距離を取ろうとします。すると、相手の逃避行動によって不安型の「見捨てられ不安」に火がつき、深夜の鬼電や激しい罵倒へとエスカレートしていきます。
「追いかける側」と「逃げる側」の攻防は、お互いの愛着トラウマを極限まで刺激し合います。周囲から見れば「別れればいい」と思える泥沼の関係であっても、本人たちにとっては幼少期に満たされなかった強烈な承認欲求と渇望が投影されているため、容易に断ち切ることができない共依存関係に縛り付けられてしまうのです。