病院搬送後、あるいは病棟内においてシーソー呼吸の看護および初期治療は、気道確保と酸素化の維持を最優先とした緊急プロトコルに沿って進められます。
医療従事者は直ちに経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)モニターと心電図を装着し、呼吸数、脈拍、血圧のモニタリングを開始します。しかし、低酸素血症の初期には代償作用で血圧や脈拍が上昇し、限界を超えると徐脈・血圧低下へと急変するため、数値の急激な変化に常に神経を研ぎ澄ませます。
吸気性喘鳴や上気道狭窄が明らかな場合、アドレナリン吸入やステロイド投与による局所浮腫の軽減を試みつつ、高流量鼻カニューラ(HFNC)や非侵襲的陽圧換気(NIPV)の導入、さらには緊急気管挿管のセットを直ちにベッドサイドへ準備します。シーソー呼吸の消失は「病態の改善」なのか「呼吸筋の疲労困憊による自発呼吸停止」なのかを、胸郭の確実な換気音の聴診とともに厳格にアセスメントし続けることが看護実践の核心となります。