「海外のジャーナリストから『なぜ日本人はよりによって排泄物を可愛く描くのか』と尋ねられることがよくあります」と語るのは、文化人類学者の高橋裕一教授だ。欧米圏において排泄物は長年、忌避すべき不潔な対象、あるいは下品なジョークの種としてのみ扱われてきた。しかし日本の「カワイイ文化」は、そのネガティブな概念すらもポップなアートへと変換してしまう力を持つ。
ゆるキャラ文化や八百万の神という万物に魂を見出す精神的背景も、このユニークな表現を後押しした。つぶらな瞳を付けられ、愛くるしい表情で微笑むキャラクターに変身した途端、人々が抱く拒絶感は「親近感」へと瞬時に上書きされる。この心理的ハードルの急低下こそが、社会課題の解決に向けた強力なツールとなっているのだ。