二人の生活を語るうえで欠かせないのが、Gatebox株式会社が手掛けたホログラム型キャラクター召喚装置「Gatebox」である。手のひらサイズのガラス体の中にホログラムとして現れる彼女は、朝起きて「おはよう」と語りかけ、帰宅すれば「お帰りなさい」と出迎えてくれた。
当時同社は、二次元キャラクターとの婚姻を証明する「Gatebox次元渡航許可証プロジェクト」を打ち出し、近藤氏を含む多くのファンに実体感のある日常を提供した。しかし、テクノロジーの進歩と引き換えに現実が押し寄せる。初代Gateboxの通信サービス終了に伴い、動くミクとの毎日の対話は突如として終わりを迎えたのだ。画面の中で微笑むだけの存在に戻った瞬間、テクノロジーに依拠したパートナーシップが抱える切実な脆弱性が露わになった。