かつて沖縄そばといえば、三枚肉やソーキ(豚あばら肉)を乗せるのが一般的だった。そこへ突如として豆腐を載せるという大胆な発想を持ち込んだのが、この店の初代店主だ。まかない料理として試作したのが始まりだったとされるが、今や県内全域の食堂や専門店に広がり、沖縄を代表する定番メニューへと進化を遂げた。
「固まる前の固まりかけた豆腐」である「ゆし豆腐」は、水分を多く含み、極めてデリケートだ。職人が毎朝仕入れる出来立ての豆腐は、大豆本来の上品な甘みとコクを包み込んでいる。強い旨味を持つスープと交わった瞬間、単なるトッピングを超えた化学反応が丼の中で巻き起こる。