プライベートジェットの世界へ踏み出す際、最初に突き付けられるのが「購入費」「年間維持費」「チャーター費用」という3つの価格レイヤーだ。新品の機体を購入する場合、小型機で約600万〜1,000万ドル(約9億〜15億円)、長距離航行が可能な超大型機になれば6,000万〜7,500万ドル(約90億〜110億円)を超えるケースも珍しくない。中古市場を活用すれば半額程度に抑えられる場合もあるが、機齢や整備履歴によって価値は大きく左右される。
しかし、本当の驚きは購入の後にやってくる。年間維持費は一般的に機体本体価格の10%前後が目安とされ、パイロットや整備士の雇用費、ハンガー(格納庫)使用料、機体保険、定期整備費だけで年間1億〜5億円規模の固定費が発生する。1フライトごとに燃料費、着陸料、ハンドリング料金などの変動費が加算される仕組みだ。一方、機体を所有せず必要な時間だけ利用するチャーターの場合、中型機クラスで1時間あたり150万〜300万円程度が相場となる。年間フライト時間が数百時間に満たない場合は、チャーターや会員制サービスのほうが合理的な選択となるケースが多い。