女優としての評価を決定づけたのは、鬼才・石井隆監督が手掛けた1993年の傑作サスペンス映画『ヌードの夜』への出演だった。退廃的で危険な夜の街を舞台に、体当たりの演技で観客の息を呑ませた。アイドルという殻を完全に脱ぎ捨て、生々しい人間の業をスクリーンに焼き付けた瞬間である。
さらに1999年の映画『月光の囁き』では、思春期の歪んだ心理劇において圧倒的な存在感を発揮。監督の意図を正確に汲み取りながら、観る者の倫理観を揺さぶる複雑なキャラクターを演じ切った。この時期、俳優育成の第一人者であった塩屋俊の指導を仰ぎ、演技の基礎を徹底的に叩き直したことが、日本映画界における彼女の立ち位置を強固なものにしたと言える。