旧軽井沢の歴史を語る上で欠かせないのが、世界的なミュージシャンであるジョン・レノンとの深い縁だ。1970年代後半、彼は妻のオノ・ヨーコ氏、息子のショーン氏とともに毎夏のようにこの地を訪れ、喧騒から離れた穏やかな時間を過ごした。彼が足繁く通ったとされるベーカリーや喫茶店は、今も当時の面影を色濃く残している。
銀座通りから木々に囲まれた一本の小道を少し奥へと進むと、創業1894年の歴史を誇るクラシックホテル「万平ホテル」が姿を現す。ジョン・レノンはこのホテルのカフェテラスをこよなく愛し、自ら直伝したとされるロイヤルミルクティーを片手に静かな時間を楽しんだ。木造建築の温もりと重厚なステンドグラスが織りなす空間は、まるで時代が止まったかのような錯覚を抱かせる。喧騒を離れ、彼が愛した木漏れ日と静寂に浸る時間は、旅に特別な深みを与えてくれるはずだ。