寝ている時にビクッとなる正体は?ジャーキングの原因と病気の見分け方

寝ている時にビクッとなる正体は?ジャーキングの原因と病気の見分け方

寝ている時にビクッとなる正体は?ジャーキングの原因と病気の見分け方について押さえておきたい 注意点を分かりやすく解説いたします。

眠りにつく瞬間に身体が突然跳ね上がる現象の正体は、医学的には「入眠時ミオクローヌス」、一般的には「ジャーキング(hypnic jerk)」と呼ばれる筋肉の不随意運動です。自分の意思とは無関係に、筋肉が一瞬だけ強い収縮を起こす生理反応であり、しゃっくり(横隔膜のミオクローヌス)と極めて近いメカニズムで発生します。

入眠のプロセスにおいて、人間の脳は覚醒を司る「脳幹網様体」の働きを低下させ、大脳皮質を休息モードへとシフトさせます。このとき、脳からの指令伝達ルートと全身の筋肉を弛緩(しかん)させる運動抑制系が同期して働かなければなりません。ところが、意識の低下に対して筋肉の脱力がワンテンポ遅れたり、脳幹の抑制シグナルに一瞬の混線が生じたりすると、運動神経系が「身体が急激に脱力して落下している」と誤認します。その結果、バランスを取り戻そうとして全身の筋肉へ瞬間的な収縮シグナルを一気に放出してしまいます。

この脳の誤作動が視覚イメージを司る領域と結びついた結果現れるのが、多くの人が証言する「高いところから落ちる感覚」や「階段を踏み外す夢」です。夢を見てビクッとなるのではなく、身体の急激な筋肉収縮と落下の誤認に辻褄を合わせるため、脳が後付けで落下の夢映像を合成しているというのが睡眠神経科学の定説です。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。