玉置玲央は1985年3月22日生まれ、東京都出身。高校時代に演劇に出会い、2006年に劇作家・演出家の中屋敷法仁らとともに結成した劇団「柿喰う客」の中心俳優として活動を本格化させました。「柿喰う客」といえば、圧倒的な言葉数の多さと極端にデフォルメされた身体表現、疾走感あふれるアクロバティックなステージングで演劇界に旋風を巻き起こした劇団です。玉置玲央はその屋台骨として、長年にわたり舞台表現の最前線で肉体を酷使し、技を研ぎ澄ませてきました。
その実力は外部の著名クリエイターからも早くから注目され、パルコプロデュース公演や海外戯曲の上演など、骨太なストレートプレイに数多く起用されてきました。そして活動の場を映像へと広げると、2020年の大河ドラマ『麒麟がくる』の伊平次役、NHK夜ドラ『恋せぬふたり』のキーパーソン役、ドラマ『真犯人フラグ』など、一筋縄ではいかない複雑な内面を持つ役柄で爪痕を残していきます。
とりわけ2024年秋に放送され大きな反響を呼んだプレミアムドラマ『団地のふたり』での演技は、彼の表現の幅広さを証明しました。小林聡美と小泉今日子が演じる幼なじみの日常を描いた温かな会話劇のなかで、玉置玲央は団地に暮らす春日部役として出演。これまでの張り詰めた緊張感や狂気を完全に消し去り、どこにでもいそうな青年の佇まいで物語に滋味深いアクセントを加えました。「毒気のある怪演」から「日常に溶け込む脱力した芝居」まで、自在にトーンコントロールができる稀有な俳優であることを業界内外に知らしめたのです。