荒木飛呂彦作品の大きな魅力である洋楽オマージュにおいて、ギアッチョと彼の能力には極めて格式高いロックの遺伝子が組み込まれている。スタンド名のホワイトアルバム 元ネタ ビートルズは、1968年にリリースされた伝説的2枚組アルバム『The Beatles』(通称:ホワイト・アルバム)に由来する。
さらに、超低温反射技「ジェントリー・ウィープス」は、同アルバムに収録されたジョージ・ハリスン作曲の不朽の名曲「While My Guitar Gently Weeps(ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス)」が元ネタだ。「ギターが静かにむせび泣くように」という詩的な旋律の裏で、大気を静止させて弾丸を跳ね返す冷徹な技として再解釈した荒木氏のネーミングセンスは圧巻と言える。
また、ギアッチョという人物を語る上で外せないのが、激しい怒りと理屈っぽさが同居した特異なキャラクター性だ。以下に代表的なセリフを総括する。
【ギアッチョ 名言 まとめ】
- 「『パリのことば』では『パリ』っていうんだ。『PARIS』って書くからな!だがイタリア人は『パリージ』って発音しやがる!……なんで『PARIS』って書いてあんのに『パリージ』って読まねえんだよォオオオーーッ!」
- 「『根掘り葉掘り』……ってよォーッ!『根を掘る』ってのはわかる……スゲーよくわかる。土の中に埋まってっからな……だが『葉掘り』って部分はどういうことだッ!?葉っぱを掘るってどういう事だコラァーッ!」
- 「『ヴェネツィア』って言えよォオオッ!『ベニス』って英語で呼ぶんじゃあねえーッ!ナメやがってこの言葉クソ野郎がァーッ!」
言葉の語源や表記の不整合に対して異常なまでの激情を爆発させるこの言動は、単なるギャグ描写ではない。「物事の筋道が通っていないこと」に対する病的な拒絶感であり、彼が自身の能力をミリ単位・絶対零度まで精密にコントロールする職人気質な完璧主義者であることを雄弁に物語っている。