UNISON SQUARE GARDENの楽曲は、変則的な拍子移動、目まぐるしいコード展開、BPM200を超える高速ナンバーが連発します。その激流の中で、決してリズムを崩さずにバンド全体を加速させるのが鈴木貴雄のドラムテクニックの評判を不動のものにしている所以です。
彼のドラミングの最大の特徴は、「針の穴を通すような正確無比なタイム感」と「視覚的にも観客を圧倒する派手なパフォーマンス」の完全な両立にあります。曲中でスティックを高く放り投げてキャッチするアクロバティックな所作や、ドラムスツールの上に立ち上がってオーディエンスを煽るシーンはライブの定番ハイライトです。しかし、どれほど身体を激しく揺らしヘッドバンギングを繰り出していようと、スネアのアタックとバスドラムの踏み込みのピッチはミリ単位で狂いません。
また、鈴木貴雄のドラムセットのこだわりもプロドラマーの間で常に注目の的です。パール(Pearl)のドラムシェルをベースに、ハイピッチで抜けの良いスネアサウンドと、クリアな余韻を放つパイステ(Paiste)のシンバル類をセッティング。視覚的な圧迫感を抑えつつ、自身の激しいモーションを阻害しないようシンバルの高さやスネアの角度が緻密に計算されています。「叩きやすさ」と「客席からの見栄え」を徹底的に追求した機能美が凝縮されています。