なぜ今、これほどまでに住宅の水漏れ事故が急増しているのか。その背景には、日本の住環境が直面している構造的な老朽化問題が存在する。
国土交通省が公表している建築・インフラストラクチャー関連のデータによると、築30年を超える分譲マンションや木造住宅の割合は年々増加の一途をたどっている。特に昭和末期から平成初期に施工された配管資材(塩化ビニル管や銅管)は、経年劣化によってピンホールと呼ばれる微細な穴が開きやすく、壁裏や天井裏で静かに水漏れを進行させる特徴がある。
国も既存住宅の長寿命化や適切な維持管理に向けたガイドラインを強化しているが、管理不全に陥った物件や修繕積立金不足に悩む建物では対策が後手に回りがちだ。深刻な住宅トラブルへ発展する前に、個人の予防意識と適切なメンテナンス施策への投資がかつてないほど求められている。