歴史を遡ると、「支那」という言葉自体は古代インドのサンスクリット語「Cina(シーナ)」に由来するとされる。これが仏典の漢訳を通じて中国本土に逆輸入され、地理的な地域名として定着していった。日本においても江戸時代から明治初期にかけて、学術的な地理名称や自他を区別する無意図的な呼称として使われていた背景がある。
しかし、19世紀末から20世紀前半の激動期において、そのニュアンスは決定的な変容を遂げる。近代化を推進する中で、地域名から人々を指す呼称へと使用法が拡大し、次第に政治的・不当な格付けを伴う蔑称としての色彩を帯びていくこととなった。