桑名正博の実家を語る上で欠かせないのが、家業である「桑名運輸」の存在だ。創業は明治時代にまで遡る。もともとは大坂の問屋街や港湾を舞台に廻船問屋「桑名屋」として事業を起こし、時代の波に乗ってトラック輸送や海運倉庫業へと事業を拡大させていった。
戦後の高度経済成長期には、大阪港の発展とともに会社は急速に規模を拡大。トラック数百台を抱える関西有数の総合物流企業へと成長を遂げた。文字通りの「港湾のドン」であり、地元の経済界において桑名家の名を知らぬ者はいなかったという。単なる新興の成金ではなく、代々積み重ねてきた圧倒的な信用と資産を持つ本物の「名門」だった。