翻って、日本国内における現状はどうだろうか。厚生労働省は医薬部外品としてタンポンを規制しており、添付文書への「TSSに関する注意喚起」や「長時間使用の禁止(4〜8時間以内)」の記載を義務付けている。しかし、欧米に比べると国内でのTSSに対する一般認知度は依然として低いのが現状だ。
日本の医療・ヘルスケア産業においては、生理用品=安全というイメージが強く定着しており、事故リスクについての具体的な教育や啓発が不十分だとの指摘も根強い。産婦人科医からは「発熱や倦怠感を単なる体調不良や生理痛と勘違いし、受診が遅れるケースが散見される」と懸念する声が上がっている。
日本国内でも、フェムケア市場の急速な拡大に伴い、多種多様な生理用品が手に入るようになった。しかし、安全性の担保とユーザーへの正しい情報提供という観点では、まだ多くの課題を残している。単に商品を売るだけでなく、リスクについての徹底した情報開示と教育が、メーカーや行政に強く求められている。