尿の色彩を左右する最大の要因は、体内の水分バランスだ。汗をかいたり十分な水分を摂らなかったりすると、体は水分の排出を抑えようとして尿を濃縮する。これにより一時的な脱水症状態に陥ると、尿は深いアンバー色や濃い黄色へと変化する。通常、尿の色素は胆汁に含まれるビリルビンが腸内細菌によって分解されて生じるウロビリノーゲンに由来しており、水分の量に応じてその濃度が上下する仕組みだ。
注意すべきは、水分を補給しても濃い黄色や茶褐色が改善しないケースだ。肝臓や胆のうに異常が生じ、胆汁色素が血液中に漏れ出すと、尿に大量のビリルビンが排泄される。色が褐色に近づき、進行すると皮膚や白目が黄色く染まる黄疸が現れる。日本泌尿器科学会が監修する尿異常診療ガイドラインでも、持続する濃尿や褐色尿は肝胆道系疾患の初期症状として警戒すべき徴候に位置づけられている。