レザークラフトの真骨頂であり、製品の高級感を決定づける最後の関門が「コバ(革の断面)」と「トコ面(革の裏側)」の処理です。切りっぱなしの毛羽立った断面をそのままにしておくと、使っていくうちに繊維がほつれ、薄汚れた印象を与えてしまいます。
市販のハイエンドレザーアイテムのような艶やかな断面を作るための黄金ステップは以下の通りです。
ステップ1(段差の除去):接着したパーツ同士の断面を、#320から#400のサンドペーパーで一直線になるよう丁寧にヤスリがけします。
ステップ2(ヘリ落とし):角ばったコバの角をヘリ落としツールでスッと削ぎ落とし、断面に丸みを持たせます。
ステップ3(トコノールの塗布):指先または綿棒に少量のトコノールを取り、コバに薄く均一に塗り広げます(革の表面にはみ出さないよう細心の注意を払います)。
ステップ4(スリッカーでの研磨):半乾きの状態になった瞬間を見計らい、ウッドスリッカーの溝をコバに当てて素早く往復運動させます。過度な力で押し潰すのではなく、摩擦熱によって繊維を焼き締めるイメージで磨き上げます。
ステップ5(仕上げの追い磨き):さらにキメ細やかな光沢を求める場合は、#800以上の極細ペーパーを軽く当てた後、帆布(キャンバス生地)で乾拭きを行うと、まるでガラス細工のような透明感あふれるコバが完成します。
トコ面(裏面)についても、裁断前の段階でトコノールを全体に薄く塗り伸ばし、ガラス板やスリッカーの平らな面で一定方向に擦り込んでおくことで、ペンの出し入れ時に革くずが付着するのを完全に防止できます。