ウォンバット最大の特徴として世界中の科学者を驚かせたのが、「ほぼ完全な立方体(四角形)のフンをする」という点です。自然界において角張った形状の排泄物を作る動物は、地球上でウォンバットの仲間以外に存在しません。
長年謎とされていたこの現象は、米ジョージア工科大学などの国際研究チームによる流体力学的研究によって解明され、2019年にイグ・ノーベル物理学賞を受賞しました。解明されたメカニズムは以下の通りです。
ウォンバットの消化プロセスは極めて長く、摂取した植物の栄養と水分を限界まで吸収するのに約8〜14日を要します。水分が極限まで抜けた糞便は、大腸の最後の約8%の領域に到達した際、腸壁の硬い部分(高剛性)と柔らかく伸縮する部分(高弾性)が交互に配置された特殊な筋肉の溝によって、均一な四角いブロック状へと成形されます。
彼らは視力が非常に弱い代わりに嗅覚が発達しており、岩の上や倒木の上にフンを乗せて縄張りをアピールします。もしフンが丸いと斜面から転がり落ちてしまいますが、四角いフンであれば狙った高い位置に安定して留まるため、効率的な匂いのマーキングとして機能しているのです。1日に排泄される立方体の数はなんと80〜100個にのぼります。