山本太郎の芸能キャリアは、1990年に日本テレビ系バラエティ番組『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の名物コーナー「高校生制服対抗ダンス甲子園」への出演から幕を開けました。全身にオイルを塗り、水泳帽に海水パンツ一丁で「メロリンQ」と絶叫する姿は社会現象となり、瞬く間に全国区のお茶の間にその名が知れ渡ることになります。
強烈なバラエティのイメージからスタートしたものの、1990年代中盤以降、山本太郎は本格的に俳優の道へとシフトしていきます。1992年のドラマ『しあわせの決断』で本格デビューを飾ると、連続テレビ小説『ふたりっ子』(1996年)などの話題作に相次いで抜擢され、荒削りながらも観る者の視線を引きつける独特の野性味と情感豊かな表現力で頭角を現しました。
俳優としての決定的な評価を得たのが、2004年に公開された崔洋一監督の映画『血と骨』です。ビートたけし演じる冷酷な父親・金俊平と激しく対立する長男・朴正平役を熱演。暴力と情念が渦巻く過酷な人間ドラマの中で圧倒的なリアリティを放ち、第47回ブルーリボン賞助演男優賞を受賞しました。バラエティ出身のタレント俳優という下馬評を完全に覆し、日本映画界になくてはならない本格派バイプレイヤーとしての地位を確固たるものにしました。