皮膚科を受診するか迷う方の多くが「メスやハサミで芯をほじくり出される激痛」を恐れています。しかし、日本皮膚科学会の診療指針に沿った標準的な魚の目処置において、健康な皮膚を切開しない角質削り処置そのもので強い痛みを感じることはほぼありません。
魚の目の正体は、物理的な圧迫や摩擦によって角質が円錐状に硬化し、皮膚の深部(真皮層)に向かってトゲのように突き刺さった「角質の塊(角質柱)」です。角質層には神経が通っていないため、医療用メスやコーンカッターで硬い芯を削り取る処置自体は無痛です。むしろ、神経を圧迫していた芯が物理的に除去されるため、「処置台から降りて足を地面に着けた瞬間、嘘のように痛みが消えた」と驚く患者が圧倒的多数を占めます。
ただし、処置中に痛みを感じる例外的なケースが2つ存在します。
1つ目は、芯が真皮層の毛細血管や神経線維の極めて近くまで達している場合です。芯の先端を完全に取り除こうとする際、周囲の生きた皮膚にわずかな刺激が加わり、チクッとした鋭い痛みが生じることがあります。2つ目は、魚の目ではなく「ウイルス性イボ(尋常性疣贅)」であった場合に液体窒素による冷凍凝固術を行うケースです。液体窒素治療はマイナス196度の超低温で患部を急激に凍結・壊死させるため、ツーンとした強い痛みを伴い、処置後数時間は鈍痛が残ります。
通常の魚の目であれば、麻酔注射を打つ必要すらなく、数分から十数分程度で安全に芯を除去できます。