フィットネスクラブの現場やパーソナルトレーニングのカウンセリングにおいて、ディップスに関する悩みは尽きません。SNSや質問掲示板を分析すると、ディップスのフォームに対する評判やネットの反応には、ある明確な共通パターンが存在します。
「自重ディップスを10回こなせるようになったが、胸よりも首の付け根が凝って頭痛がする」「胸に効かせるために深く下ろしていたら、鎖骨と肩の前側が痛んでベンチプレスすらできなくなった」といった声が数多く見受けられます。中には「ディップスは肩を壊す悪魔の種目」と極端に敬遠する意見も散見されます。
しかし、トレーナーの視点から現場を観察すると、問題は種目そのものではなく、「自重への過信」と「見栄」に起因しているケースが大半です。ディップスは自分の全体重がそのまま負荷となるため、筋力不足の段階で回数をこなそうとすると、無意識に首を縮めて体をロックさせ、可動域をごまかす動作(浅い屈伸や反動)が定着してしまいます。ネット上のネガティブな体験談の多くは、肩甲骨のキープ力を無視して自重に挑み続けた結果生じた代償動作の悲鳴なのです。