3分3ラウンド、完全決着ルールで行われたこの一戦は、開始早々の第1ラウンドに勝敗の行方を決定づける最大のハイライトが訪れました。
互いに鋭いジャブとローキックで距離を測る中、圧力を強めて距離を詰めようとした武尊に対し、那須川天心は冷静にサウスポースタイルからのカウンターを狙っていました。そして第1ラウンド残り時間約30秒、武尊が右フックを振るいながら前進した刹那、那須川天心の電光石火の左ショートフックが顎を捉えます。この閃光のような一撃により、プロキャリアで一度もクリーンヒットによる失神ダウンを喫したことがなかった武尊がマットに崩れ落ち、劇的なダウンが宣告されました。
第2ラウンド、ダメージを感じさせまいと笑顔を見せながら怒涛の前進を仕掛ける武尊と、バックステップと絶妙なヘッドスリップで決定打を回避する那須川天心。途中、頭部が衝突する偶発的なバッティングにより一時試合が中断する緊迫の場面もありましたが、両者ともに集中力を切らすことはありませんでした。
最終第3ラウンドは、互いの意地とプライドが激突する歴史的な打ち合いへ。最後まで倒しに行く武尊の強打と、的確にカウンターを当て続ける那須川天心の技術が交錯し、9分間の死闘は終了のゴングを迎えました。
ジャッジ5名による採点は以下の通り、全員一致で那須川天心を支持する5-0のユナニマス・デシジョン(判定勝利)となりました。
- ジャッジA:30-28(那須川支持)
- ジャッジB:30-28(那須川支持)
- ジャッジC:29-28(那須川支持)
- ジャッジD:30-28(那須川支持)
- ジャッジE:30-27(那須川支持)
第1ラウンドのダウンによる「10-8」の採点が決定打となり、武尊の驚異的な追い上げを退けて那須川天心がキックボクシング無敗のまま有終の美を飾りました。