須賀川市についてネットで検索すると「地震が多い」という印象を持つ人がいる。これは2011年の震災記憶と、福島第一原発事故のイメージが混ざっているケースが多い。須賀川市は原発から約60km離れており、避難区域には一度も指定されていない。2026年に実施された市民アンケートでは「原発事故の影響が続いていると誤解していた」と回答した県外在住者が全体の18%に上った。これは須賀川市に限らず中通り全体が抱えるイメージ課題だと言える。
もう一つの誤解が「松明あかしは観光客向けの再現イベント」というもの。実際は400年以上続く地元密着の火防祭で、担ぎ手は須賀川市民が中心。観光イベント化したのは1980年代以降の話だ。祭礼保存会の幹部は「よそから来た人に派手に見えるのは事実だが、あれは地元の祈りの形。観光イベントと混同しないでほしい」と取材で語っている。地域の歴史的な真実と観光プロモーションの使い分けを、地元は意外なほどシビアに見ている。
さらに、須賀川市と「ウルトラマン」の関係も再評価が進む。須賀川市は円谷英二監督の出身地というつながりから、2013年に市と円谷プロダクションが「M78ウルトラマンと光の国」という地域活性化協定を締結。駅前にはウルトラマン像が複数設置され、日本で唯一「ウルトラマンのふるさと」を名乗る自治体となった。これが地元民の誇りと、来訪者の意外な楽しみの両面で機能している。ネットの口コミでも「須賀川駅に降りたらウルトラマンがいて笑った。こういう遊び心は好き」と好意的な反応が目立つ。