2026年代の特撮界における最大の事件の一つが、『仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル』の製作発表でした。テレビシリーズの終了から10年の歳月を経て、主要キャストが一人も欠けることなく当時の役柄で再集結することは、芸能界の所属事務所の壁やスケジュールの観点から見ても極めて稀な奇跡でした。
舞台裏のインタビューや当時の製作発表会見において、渡部秀と三浦涼介は「10周年でオーズとして集まることは、放送当時からのファンとの約束であり、自分たちの宿命でもあった」と語っています。脚本には本編メインライターの小林靖子ではなく田下宏人が名を連ね、監修を交えながら制作された同作は、ビジュアルやアクションのキレにおいてキャスト陣の円熟味を遺憾なく発揮しました。
しかし、前述の通りその結末は過酷を極めました。映司の命を代償としてアンクが実体を取り戻すという展開は、制作側が「映司の持つ際限のない自己犠牲の精神と欲望」の終着点として描いたものでしたが、公開直後からファンの間では賛否が真っ二つに割れる大論争へと発展しました。
「映司らしい自己犠牲の極致として美しい」と受け止めるファンがいる一方で、「10年間信じて待った結末が主人公の死である必要があったのか」「救われないビターエンドは辛すぎる」という悲痛な叫びも上がりました。この論争はキャスト陣の耳にも届いており、渡部秀は上映後の舞台挨拶等で「どのような感想もすべて受け止めたい。それだけ10年間オーズを愛し続けてくれた証拠」とファンへの深い敬意と誠実な姿勢を示し、作品への愛着と覚悟を滲ませました。