チケット発券時、最も一喜一憂するのが「アリーナ席か、スタンド席か」という座席位置の割り振りです。しかし、日本ガイシホールの構造を熟知している熟練ファンからは「ガイシホールは下手なアリーナ後方よりも、スタンド中段〜前列のほうが圧倒的な神席である」という評価が定着しています。
日本ガイシホールのアリーナ席は、体育館の競技用木製フロアの上に直接パイプ椅子を並べる平坦な構造です。ブロック分けは公演ごとに異なりますが、概ね前からA〜Dブロック(後方はEやFまで拡張される場合あり)、横は1〜7ブロック程度で配置されます。
A〜Bブロックの前方であれば、ステージ上の演者の表情や汗まで肉眼で捉えられる究極の臨場感を味わえます。しかし、Cブロック以降、特に列数で言う30列目以降の後方席になると状況は一変します。段差が一切存在しないため、前の観客の頭部や掲げられたペンライトで視界が完全に遮られる「視界埋もれ」が頻発します。身長160cm未満の観客の場合、「ステージ中央が一切見えず、2時間の間ずっと横の大型モニターを見上げて過ごした」という事態に陥るリスクを孕んでいます。
対照的に、絶賛の的となるのがスタンド席の見やすさです。ガイシホールのスタンドは2階(実質1階スタンド)から3階(上段スタンド)にかけて階段状の急傾斜が設計されており、前列の観客の頭が視界を邪魔することが構造上ほぼありません。外周を取り囲む楕円形のすり鉢状構造であるため、ステージまでの直線距離がドーム会場とは比べ物にならないほど近く感じられます。
「スタンド最上段の最後列(25列前後)」であっても、会場自体の奥行きが約80メートル程度に抑えられているため、倍率8〜10倍程度の標準的な防振双眼鏡さえ用意すれば、演者の表情や細かな指先の動きまでクリアに視界へ収めることが可能です。会場全体を立体的に包み込む照明演出やレーザービームの美しさを俯瞰できる点においても、スタンド席はアリーナ中後方を凌駕する満足度を誇ります。