スーパーで購入したかぶを冷蔵庫の野菜室へそのまま入れていませんか。もしそうなら、今すぐ見直す必要があります。かぶを手に入れた直後に行うべき最初の作業は、根と葉を包丁で完全に切り離すことです。この小さなひと手間が、料理の仕上がりを天と地ほどに変えてしまいます。
植物生理学の観点から見ると、収穫後のかぶの葉は生命維持のために根(丸い胚軸部分)から水分と糖分を猛烈な勢いで吸い上げ続けます。葉をつけたまま放置すると、わずか24〜48時間で根の内部に空洞ができる「す入り」が進行し、みずみずしい食感が失われてスカスカになってしまうのです。水分蒸散を防ぐため、根元の茎を2〜3cmほど残して切り離すのがプロの鉄則とされています。
さらに見落とされがちなのが、葉の根元に詰まった微細な泥の処理です。茎の隙間には土壌由来の細かな砂が入り込んでおり、雑に洗うとジャリッとした不快な食感が残ります。ボウルに水を張り、竹串やつまようじの先を使って根元の隙間を軽く掻き出しながら流水で振り洗いすることで、泥臭さを完全に排除できます。葉自体はビタミンCやβ-カロテン、カルシウムが豊富に含まれる緑黄色野菜。サッと10〜20秒塩茹でして冷水にとる「色止め」を行うだけで、特有のエグみが抜け、鮮やかな翡翠色の絶品素材へと生まれ変わります。