2015年に学校保健安全法施行規則が改定され、小中学校での検診義務がなくなって以降、日本国内における蟯虫の公式データは表に出にくくなった。これが予期せぬ副作用を生んでいる。多くの若手医師や一般家庭において、蟯虫という病気自体の認知が薄れ、初期症状を見落とす事例が増加したのだ。
「肛門の痒み」というデリケートな悩みゆえに、大人の患者は恥ずかしさから受診をためらう傾向が強い。湿疹や水虫、あるいはストレス性の掻痒症だと自己判断し、ステロイド外用薬を塗り続けて悪化させるパターンも少なくない。検診が日常から消えた今だからこそ、自発的な気づきと検査の実施が重要性を増している。