審理の舞台である札幌地方裁判所では、検察側と弁護側による熾烈な論戦が展開されている。最大の争点は、実行犯とされる田村瑠奈被告の刑事責任能力だ。長期にわたる鑑定留置を経て出された精神鑑定の結果をどのように評価するかで、審理は複雑を極めている。
弁護側は、被告が重度の精神障害や解離性障害の状態にあり、自身の行為の意味を正しく認識できていなかったと主張。一方で検察側は、事前の防犯カメラ回避や変装、計画的な道具調達などを挙げ、高い計画性と完全な責任能力があったと反論する。この攻防は、現代の刑事司法が直面する「精神障害と凶悪犯罪」を巡るもっとも難解な課題を浮き彫りにしている。