身内が亡くなった直後の混乱期に、「銀行への連絡は四十九日が過ぎて落ち着いてからでいいだろう」と手続きを後回しにする遺族が一定数存在します。しかし、三井住友銀行の相続手続き放置には、日常生活や法的手続きを直撃する深刻なリスクが潜んでいます。
第1のリスクは、公共料金や住宅ローン、介護サービス費などの自動引き落とし不能による滞納トラブルです。銀行側が新聞のお悔やみ欄や行政通知、親族からの相談などを通じて名義人の死亡を把握すると、予告なしに口座が凍結されます。これにより、同一口座から引き落とされていたライフラインが突然ストップし、信用情報への傷や督促状の送達といった余計な精神的負荷を背負うことになります。
第2のリスクは、相続税の申告期限(被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内)への抵触です。口座の預金残高や過去の出入金明細を正確に把握できなければ、相続財産の総額が確定できません。後述する残高証明書の発行だけでも相応の時間がかかるため、放置期間が長引くほど申告遅延による無申告加算税や延滞税のリスクが現実味を帯びてきます。
第3のリスクは、長期間放置された預金の「休眠預金」移行と相続関係の複雑化です。最後の取引から10年間取引がない預金は「休眠預金等活用法」に基づき民間公益活動に活用される仕組みとなっており、後からの回収には余分な確認手続きを強いられます。さらに、放置している間に別の相続人が認知症を発症したり亡くなったりして「数次相続」が発生すると、必要となる戸籍謄本の通数が雪だるま式に膨れ上がり、手続きの難易度は跳ね上がります。
では、連絡を入れてから三井住友銀行の口座凍結が解除されるまでの日数はどれほどかかるのでしょうか。実務現場のデータでは、最初のコンタクトから必要書類の案内受領までに約1週間、すべての公的書類と相続届を提出してから同行の専門部署による精査・口座解約および振込実行までに約1〜2週間を要します。つまり、遺留分争いがなく書類に一切の不備がない最短ケースでも、トータルで約3週間〜1ヶ月の期間を見込んでおく必要があります。