報道各社の速報が列島を駆け巡った際、多くの人々が疑問に抱いたのは「なぜあんなに元気だった方が突然亡くなったのか」という点でした。公表された山本陽子さんの死因は急性心不全。心臓のポンプ機能が急激に低下し、短時間で死に至る病態です。
一部のネット上では「重篤な持病を隠して闘病していたのではないか」という憶測も飛び交いました。しかし、所属事務所の公式発表や医療関係者の所見を照合すると、入院生活を伴うような闘病歴はなく、まさに突発的な心機能の停止であったことが裏付けられています。山本さんは70代の頃に大腸がんの手術を経験して克服した過去はあるものの、直近の健康状態は極めて良好で、定期健診の数値を自ら誇らしげに語るほど活力に満ちていました。
決定的な証拠として挙げられるのが、2024年2月2日にテレビ朝日系列で放送された『徹子の部屋』への最後の出演です。親交の深い高田純次さんと共に出演した山本さんは、背筋をピンと伸ばし、洒脱なジョークを交えながら「80代になってもやりたいことがたくさんある」と満面の笑みで語っていました。番組収録時にも体調不良の兆候は微塵もなく、視聴者やスタッフに対しても衰えを感じさせない見事なプロポーションを維持していました。
さらに亡くなる前日の2月19日、拠点を置いていた静岡県熱海市内の行きつけの店舗で、楽しそうに食料品などを買い求める姿が近隣住民によって複数目撃されています。帰宅後の夜から翌朝にかけて体調に異変をきたし、2月20日に市内の病院へ救急搬送されたものの、そのまま静かに息を引き取りました。苦しい延命治療を望まず、前日まで足腰を動かして自活していたその最期は、医学的にもまさに「ピンピンコロリ」を地で行く潔い幕切れでした。