現在、歌麿の作品は世界各地の名だたる美術館に保管され、厳重な管理のもとでその美を今に伝えている。国内においては東京国立博物館が貴重な初期刷りや代表作を所蔵しており、当時の鮮やかな色彩や微細な線描を間近に鑑賞できる機会を提供している。
一方、海外に渡ったコレクションとして世界最高峰と評されるのがボストン美術館だ。ビゲローやスポルディング兄弟らが収集した膨大なコレクションは、光による退色を防ぐために極めて厳格な環境で保管されてきた。そのため、200年以上前に摺られた当時のままのような鮮烈な発色を保っており、歌麿が意図した真の色彩美を現代に伝える奇跡の保管庫として、世界中の研究者やファンから熱狂的な視線を集めている。